c ★松岡泰成(パインヒル)のHP|ともに生きる

”松岡泰成(パインヒル)が整理した環境問題の資料やリンク等を掲載しています。「生きる」ことの根底には環境問題への意識があります。皆さんに活用頂けたら嬉しいです。”





ともに生きる

◆はじめに


92年の地球環境サミット最終日、12歳のカナダ人セヴァン・スズキ(日系4世)の歴史的なスピーチです

食の安全関連

食品添加物・JAS規格

近年「食育」という言葉を度々耳にするようになりました。勿論、栄養のバランスを考えた「食育」は、人が生きていく上でとても大切な思想だと思います。しかし、栄養のバランスを考える以前に考えなければいけない問題もあるのでは…と私は思います。
その一つが「食品添加物」の問題でしょう。食品添加物を全て否定する訳ではありませんが、中には全く企業の営利目的でのみ添加されている添加物もあります。私たち消費者がそれらを見抜かなければ、子供たちに不要な添加物を食べさせてしまうことになるのです。
以下のPDFファイルは、「体験を伝える会」出版の「食品・化粧品 危険度チェックブック」に掲載されている食品添加物の中から、特に「危険度★★★」の添加物をピックアップしたものです。買い物にこのリストを持参し、これ添加物が含まれる食材は出来るだけ購入しないよう気をつけましょう。
なお、「危険度★★」以下のものはこの本を購入されてご自分で確認してみてください。
また、最近「有機」「オーガニック」という言葉がはやっているようですが、その定義や問題点についてまとめてみました。「オーガニック」嗜好のあなた、一度、ご覧になってみませんか。

油(脂肪)について

油(脂肪)は人間の身体に欠かせない栄養素の一つですが、油ほど消費者に分かりづらい商品はありません。オレイン酸、リノール酸、必須脂肪酸…。正直、あまり意味も分からず購入しているのが現状ではないでしょうか。そこで、ここでは油のイロハについて整理してみました。

洗剤の安全関連

石けん・重曹・酢酸

合成界面活性剤が入った現在の洗剤類は、人体への悪影響が避けられないことを様々な良心的科学者が提言しています。これに比べ、人類が昔から使用してきた石けん(界面活性剤の一種)をはじめ、重曹やお酢(酢酸)などは、人体への影響がないままに物を綺麗にすることが出来る優れものです。特にお子さまへの影響を真剣に考えたい方は、安価、安心で安全な清掃方法をお勧めします。

容器包装全般

プラスチックとは

◆地球温暖化

◆地球温暖化

環境問題の中で一番大きく取り上げられている「地球温暖化」について、簡単に整理してみました。まだまだ不十分ですが、個人的なアンチョコとして使用下さい。また、補足・修正事項等ありましたら、教えて頂けると助かります。

エネルギー全般

【2009エネルギー白書】

【電中研報告書】

【エネルギー】

【太陽熱・太陽光】

【家庭用エネルギー】

排出量取引関連

排出量取引関連

様々な排出量取引について簡単に整理してみました。

その他

自由主義と環境問題

現在の社会において「素晴らしい制度」として広く受け入れられている「自由主義」を根底から否定する資料です。現在の地球環境問題は「自由主義」によってこそ生まれたことを簡単にまとめています。

■環境全般リンク

○行政・外郭団体

  ★官公庁リンク
  ・環境省
     ・自然環境局 生物多様性センター
  ・経済産業省(METI)
     ・資源エネルギー庁(ANRE)
     ・原子力・安全保安院(NISA)

  ・国土交通省(MLIT)
     ・国土地理院(GSI)
     ・気象庁(JMA)
        ・気象研究所
  ・農林水産省(MAFF)
  ・総務省(MIC)
  ・国立国会図書館(NDL)

○学会

  ★学会リンク
  ・日本エネルギー学会(JIE)
  ・エネルギー・資源学会(JSER)
  ・エントロピー学会
  ・環境資源工学会(RPSJ) 旧)資源処理学会
  ・日本太陽エネルギー学会(JSES)
  ・日本地熱学会(GRSJ)
  ・廃棄物学会(JSWME)
  ・(社)日本地震学会(SSJ)
  ・日本海洋学会
  ・(社)日本気象学会(MSJ)
  ・(社)日本リモートセンシング学会(RSSJ)
  ・環境アセスメント学会(JSIA)
  ・日本環境教育学会(JSOEE)
  ・環境社会学会(JSES)
  ・環境経済・政策学会(SEEPS)
  ・環境技術学会(JRIET)
  ・環境ホルモン学会(JSEDR)
  ・(社)日本水環境学会(JSWE)
  ・日本環境化学会(JEC)
  ・(社)化学工学会(SCEJ)
  ・(社)環境科学会(SESJ)
  ・日本環境学会(JAES)
  ・水資源・環境学会(JAWRE)
  ・水文・水資源学会(JSHWR)
  ・(社)資源・素材学会(MMIJ)
  ・資源地質学会(SRG)
  ・(社)日本原子力学会(AESJ)
  ・(社)石油学会(JPI)
  ・(社)土木学会(JSCE)
  ・(社)日本建築学会(AIJ)
  ・(社)空気調和・衛生工学会(SHASEJ)
  ・(社)日本冷凍空調学会(JSRAE)
  ・環境技術学会(JRIET)
  ・日本森林学会
  ・日本木材学会(JWRS)

○公益法人・独立行政法人 他

  ・(財)建築環境・省エネルギー機構 (IBEC)
  ・(財)省エネルギーセンター(ECCJ)
  ・(財)日本環境協会(JEA)
  ・(財)電力中央研究所(CRIEPI)
  ・(財)国立医薬品食品衛生研究所(NIHS)
  ・(財)日本エネルギー経済研究所(IEEJ)
  ・(財)新エネルギー財団(NEF)
  ・(財)日本科学技術振興財団(JSF)
     ・日本風力エネルギー協会(JWEA)
     ・エネルギー変換懇話会(DEC)
  ・(財)エネルギー総合工学研究所(JAE)
  ・(財)地球環境産業技術研究機構(RITE)
  ・(財)水と緑の惑星保全機構
  ・(財)地球環境センター(GEC)
  ・(財)ヒートポンプ・蓄熱センター(HPTCJ)
  ・(財)廃棄物研究財団(JWRF)
  ・(財)クリーンジャパンセンター(CJC)
  ・(財)国際環境技術移転研究センター(ICETT)
  ・(財)交通エコロジー・モビリティ財団(ECOMO)
  ・(財)九州環境管理協会
  ・(財)環境情報普及センター(EIC)
  ・(財)地球科学技術総合推進機構(AESTO)
  ・(財)地球・人間環境フォーラム(GEF)
  ・(財)日本自然保護協会(NACS-J)
  ・(財)日本気象協会(JWA)
  ・(財)国際エメックスセンター(EMECS)
  ・(財)世界自然保護基金日本委員会(WWF Japan)
  ・(財)地域活性化センター
  ・(財)地球産業文化研究所(GISPRI)
     過去のIPCC報告書DL(原文・和訳)
  ・(財)地球環境戦略研究機関 国際生態学センター(IGES-JISE)
  ・(財)食品産業センター
  ・(独)国立環境研究所(NIES)
  ・(独)科学技術振興機構(JST)
  独)環境再生保全機構 (ERCA)
  独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
  独)産業技術総合研究所(AIST)
     ・地質調査総合センター(GSJ)
  独)理化学研究所(RIKEN)
  独)日本原子力研究開発機構(JAEA)
  独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)
  ・(独)物質・材料研究機構エコマテリアル研究センター(NIMS)
  ・(独)交通安全環境研究所(NTSEL)
  ・(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)
     ・地球観測研究センター(EORC)
  ・(独)水資源機構
  ・(独)建築研究所(BRI)
  ・(独)医薬品医療機器総合機構(PMDA)
     ・国立医薬品食品衛生研究所(NIHS)
  ・(独)土木研究所(PWRI)
  ・(独)農業環境技術研究所 (NIAES)
  ・(独)森林総合研究所(FFPRI)
  ・(独)農業・食品産業技術総合研究機構(NARO)
     ・中央農業総合研究センター(NARC)
  ・(独)農業生物資源研究所(NIAS)
  ・(独)国際農林水産業研究センター (JIRCAS)
  ・(独)海洋研究開発機構(JAMSTEC)
     ・際海洋環境情報センター(GODAC)
  ・(独)理化学研究所(RIKEN)
  ・(社)国際環境研究協会(AIRIES)
  ・(社)日本有機資源協会(JORA)
     ・全国バイオディーゼル燃料利用推進協議会
     ・有機性資源循環利用アジアネットワーク(ANOR)
  ・(社)食品需給研究センター(FMRIC)
  ・経済協力開発機構(OECD東京センタ−)

○環境情報・書籍 他

  ★EICネット
     ★エコライフガイド
  ★環境技術情報ネットワーク
  ★地球資源論研究室
  ・学協会情報発信サービス
  ・環境Goo
  ・サイエンス・ポータル
  ・エネルギー・フォーラム
  ・30秒で世界を変えちゃう新聞
  ・エコロジーシンフォニー
  ・エコロジーエクスプレス
  ・エコロジーオンライン
  ・日経BP ECO JAPAN
  ・環境新聞
  ・エコサーチ(海外)
  ・エコリンク
  ・APEC環境技術交流バーチャルセンター(日本)
  ・(財)九州環境管理協会 Qかんきょう

○研究室 他

  ・大阪大学 環境・エネルギー工学専攻環境マネジメント学領域 盛岡研究室
  ・東北大学大学院 環境科学研究科 石田研究室
     ・ネイチャー・テック(自然のショールーム)
  ・早稲田大学大学院環境・エネルギー研究科 吉田研究室

○業界団体

  ・中央電力協議会(CEPC)
  ・電気事業連合会(FEPC)
  ・日本コージェネレーションセンター(JCGC)
  ・太陽光発電協会(JPEA)
  ・太陽光発電技術研究組合(PVTEC)
  ・燃料電池実用化推進協議会(FCCJ)
  ・燃料電池開発情報センター(FCDIC)
  ・泥土リサイクル協会(MRA)
  ・環境共生住宅推進協議会(KKJ)
  ・石油技術協会(JAPT)
  ・日本石鹸洗剤工業会(JSDA)
  ・環境共生住宅推進協議会(KKJ)
  ・優良パルプ普及協会
  ・(社)日本電気協会(JEA)
  ・(社)日本電機工業会(JEMA)
  社)日本建設業団体連合会
  社)日本ガス協会(JGA)
  社)日本自動車工業会(JAMA)
  社)日本化学工業協会(JCIA)
  ・(社)プラスチック処理促進協会
  ・(社)日本環境測定分析協会(JEMCA)
  ・(社)日本環境技術協会(JETA)
  ・(社)日本分析機器工業会(JAIMA)
  ・(社)ソーラーシステム振興協会
  ・(社)日本環境アセスメント協会(JEAS)

■エネルギー全般

○○原子力関連

  ・(内閣府)原子力安全委員会
  ・(内閣府)原子力委員会
  ・(経産省)e-原子力
  ・(経産省)放射性廃棄物
  ・日本の原子力(電気事業連合会)
  ・原子力データライブラリ(TEPCO)
  ・エネルギー問題に発言する会

○省エネ関連

  ・システムアートウェア
     電気の消費量を計測する「ワットアワー」製造事業者
  ・エネゲート
     電気の消費量を計測する「エコワット・省エネナビ」製造事業者
  ★非電化工房
     発明家「藤村靖之」氏の非電化のホームページです。お勧め!!

■新エネルギー全般

新・自然エネルギー全般

  ・クリーンエネルギーフォーラム(CEF)
  ・太陽光・風力発電トラスト
  ・「自然エネルギー促進法」推進ネットワーク(GEN)
  ・環境エネルギー政策研究所(ISEP)
  ・自然エネルギー推進市民フォーラム(REPP)
  ・グリーン電力認証機構 (Green Power)

○太陽光関連

  ・APEC環境技術交流バーチャルセンター
  ・ソーラーネット
  ・ソフトエネルギープロジェクト(SEP)
  ・季刊ソーラーシステム

  ・工房あまね

○風力関連

  ・風力発電ネットワーク
  ・Wind Rose
  ・日本風力エネルギー協会(JWEA)
  ・日本自然エネルギー株式会社
  ・風車ノート(今村博氏の個人ホームページ)
  ・日本の風力発電現場を訪ねるサイト
  ・自然エネルギー市民ファンド

○バイオマス関連

  ・バイオマス・ニッポン(農水省)
  ・日本エネルギー学会(バイオマス部会)
  ・バイオマス産業社会ネットワーク(BIN)
  ・バイオガス事業推進協議会理事会

  ・生ごみリサイクル全国ネットワーク
  ・(株)森のエネルギー研究所
  ・森のバイオマス研究会
  ・北海道バイオガス研究会
  ・BIOGAS & MANURE

○燃料電池関連

  ・PEM-DREAM

■地球温暖化関連

地球温暖化関連

  ・チーム・マイナス6%
  ・気候ネットワーク
  ・地球環境と大気汚染を考える全国市民会議(CASA)
  ・地球温暖化防止ポータルサイト
  ・環境市民
  ・ネットワーク「地球村」
  ・足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ
  ・国際青年環境NGO(A SEED JAPAN)
  ・ひのでやエコライフ研究所
  ・アースデイネットワーク
     ・アースデイ東京
  ・グリーンピースジャパン
  ・エコロジカル・フットプリント・ジャパン
  ・FoE Japan
  ・ストップ・フロン全国連絡会(JASON)
  ・温室効果ガスインベントリオフィス(GIO)(日本の排出量集計のための機関)
  ・全国地球温暖化防止活動推進センター(JCCCA)
     ・福岡県地球温暖化防止活動推進センター(FCCCA)
  ・地球環境パートナーシッププラザ(GEIC)

  ・温暖化いろいろ
  ・打ち水大作戦
  ・100万人のキャンドルナイト
  ・Think the Earthプロジェクト
  ・EPR:Energy Profit Ratio について

■化学物質関連

○界面活性剤

  ・石けん百科
  ・ぐるぐる石鹸工房
  ・シャボン玉石けん
  ・石鹸新報WEB-NEWS

  ・化学物質過敏症支援センター

■環境経済・施策

○環境経済・施策

  ・「環境・持続社会」研究センター(JACSES)
  ・環境自治体会議
  ・ライフサイクル評価
  ・環境監査研究会

○環境投資

  ・未来バンク
  ・APバンク

○フェア・トレード

  ・グローバル・ヴィレッジ
  ・フェアトレード・ラベル・ジャパン
  ・ジャパンフェアトレードセンター
  ・Fair Trade Federation (FTF)
  ・International Federation for Alternative Trade (IFAT)

○環境ビジネス

  ・スロービジネススクール
  ・エコビジネスネットワーク

○地域通貨(貨幣論)

  ・専修大学経済学部 泉研究室
  ・ゲゼル研究会

■環境教育

○教育関連

  ・エネルギー環境教育情報センター(ICEE)
  ・エネルギー教育全国協議会
  ・ECO学習ライブラリー(EEEL)

○環境教育サイト

  ・ニュークパル(財)原子力文化振興財団)
  ・はかるくん(放射能測定器貸出し)

○環境教育施設 他

  ・日本科学未来館
  ・日本の科学館めぐり
  ・科学技術館
  ・国立科学博物館
  ・東京ガス 環境エネルギー館
  ・東京電力 電気の史料館
  ・JCCCA ストップおんだん館
  ・JHFCパーク
  ・サイエンスキャンプ

■環境建築・建材


■環境交通


■環境商品・調達

環境商品・調達

  ・グリーン購入ネットワーク(GPN)
  ・商品環境情報提供サイト
  ・大地を守る会(産直サイト)

■海外サイト

○全般

  ・国際連合大学(UNU)
  ・国連環境計画(UNEP)国際環境技術センター
  ・Environmental News Network (ENN)
  ・Lycos Environment News Servise (ENS)
  ・Reuters Daily World Environment News
  ・Climate Action Network(CAN)
  ・IPCC(気候変動に関する政府間パネル)
  ・気候変動枠組条約事務局(UNFCCC)
  ・The International Renewable Energy Magazine(国際再生可能エネルギーマガジン)
  ・コジェネレーションオンラインニュース
  ・WADE(分散型エネルギー世界連合)
  ・IEA
  ・世界保健機関(WHO)

○アメリカ

  ・American Wind Energy Association (AWEA)
  ・Green Power Network(EERE)
  ・Renewabale Energy Policy Project -
   Center for Renewable Energy and Sustainable Technology (REPP-CREST)
  ・Sustainable Energy Coalition
  ・アメリカ環境保護庁(EPA)
  ・米国エネルギー省エネルギー情報局(EIA)

○欧州

  ・British Wind Energy Association (BWEA)
  ・European Wind Energy Association (EWEA)
  ・German Wind Energy Association (BEA)
  ・A Global Overview of Renewable Energy Sources (AGORES)
  ・イギリス環境庁
  ・RealClimate

■学術論文

○学位論文

1998年 工学院大学 建築学科 「中島康孝研究室」
      「水蓄熱空調システムの最適運転制御に関する研究」
     --------------------------------------------------------------------
     蓄熱式空調システムを用いることで、ピーク時の電力を削減することが出来ますが、
     しかし蓄熱効率が悪くては、本システムを用いるメリットがありません。そこで、蓄熱
     式空調システムをどのように制御すれば、熱効率の高い運用が出来るかをまとめた
     論文です。なお、水蓄熱空調システムには顕熱利用と潜熱利用があり、更に顕熱
     利用にも温度成層型(縦型)と完全混合型(横型)がありますが、本論文では、完全
     混合型の蓄熱槽を取り扱っています。
    (この論文で、大学より「優秀論文賞」を頂きました。)

○修士論文

2000年 大阪大学大学院 環境工学科 第6講座「盛岡通研究室」
      「分散型ガス供給システムを担うバイオガスの都市ガスインフラ導入に関する調査研究」

     電気は、風力や小水力など、自然のエネルギーから取り出すことが出来ますが、
     果たしてガスは…と見渡しとき、有機性廃棄物から発生するバイオガスの存在に
     気が付きます。しかし、何故かヨーロッパでは行われているバイオガスの都市ガス
     利用が、日本では行われていません。
     そこで、日本では何故バイオガスが都市ガスとして利用できないのか、都市ガスと
     して利用するには、どのような制度・施策が必要なのか…ということについて調査
     した論文です。


以下は、上記最終論文に掲載した「緒言」及び「結言」です。

■最終論文の「緒言」
はじめに
  本論文は,再生可能エネルギーの一つであるバイオガスに視点を当て,その将来性について俯瞰した一論文である.
  ここで,なぜ「再生可能エネルギー」か…と問われた場合,この問いについては,社会一般的な見地に基いて十分に説明することができ,それは後々,工学論文たる本論文内に記載するところである.しかし,では何故「ガス」か…と問われたら,この問いについては,社会一般的見地からでは十分に説明することができない.何故なら,ここには私個人の多分に私的な思考原則が含まれるからである.そしてこれは通常,工学論文において記載すべき事柄の範疇を越えるものである.
 しかし,本論文は私にとって長い学業生活の最後の締めくくりであり,かつこれからの社会人生活の礎となるものである.そこで特にここでは,型破りではあるが,私をしてバイオガスの論文を書かせ,かつガス関連企業へと就職せしめた心底に揺蕩う思考原則について,私自身の言葉で綴りたい.
 これは,過去の私の学業生活に対する総決算であり,また未来の私に対する初心回顧の記録であると共に,本論文におけるガス体エネルギーの位置付けを示すものである.

衣食住
  私は学部時代に建築学を学んだ.私はしかし,近代建築の祖ル・コルビュジェに傾倒したわけでも,世界最古の木造建築東大寺に夢想したわけでもなかった.ひとえに「住」に対する義務心があったからに他ならない.「衣食住」…人の根源的営み…何よりこれが,私が建築学を選択した一番の理由であった.それは人が人であるための必要条件であり,私にとっては少なからず興味・趣味の範囲を越えたものであった.高校時代から,私の考える根底には必ず「衣食住」がちらついていた.
  何故「衣食住」に関心を持つのだろう…時にそう考えた.そしてその記憶の片隅に,幼少の頃購読した雑誌の異常気象特集を見出した.異常気象地域を示す毒々しい血色が,地球上を隈なく覆っていたことを今でも鮮明に覚えている.「人のせいで地球がおかしくなろうとしている…」この特集は,幼い私の気持ちを揺るがすに十分であった.当時のこのような潜在意識が,十数年後の私に「人間の根源的営み」「衣食住」を意識させるきっかけとなったとしても,それはおかしい話ではない.
  私はやがて大学で建築設備を専門とし,伝熱工学を学んだ.熱力学第1法則を確認し,熱力学第2法則に嘆息した.ひどく無機的な物言いであるが,「衣食住」が即ちエネルギー収支に尽きることを実感した.食は補い,衣住は保つ.それが原則であった.

エネルギー再考
  私の生まれた1975年,カラーテレビの全国普及率が90%を越えた.省みれば,私達の世代はまさにエネルギー浪費世代の先駆けであり,身の回りに電気・ガス・石油製品があふれていた.そして,「怠惰は発明の母」よろしく,私たちはエネルギー浪費生活の代償として,自分自身の生活文化・知恵を喪失させていった.
  しかし現在,地球温暖化や資源枯渇等の課題が噴出するにあたり,生活スタイルを根本的に見直す時期に差し掛かっていることは,論を待たない.したがって,再度,現在の社会を見直し,最低限必要なエネルギー消費のスタイルを獲得し,これを具体化する必要に迫られている.この最低限必要なエネルギー消費スタイルとは,すなわち「衣食住」に対する要求を満たし得るエネルギー消費スタイルに他ならない.

食住に欠かせぬ燃焼
  都市は森を食い,森は都市を滅ぼす….これは,古代の都市において普遍的に成立した事実と考えられている.すなわち,暖房・調理に必要な木材を伐採することではじめて都市が成立し,近隣森林資源の枯渇と共に衰退・崩壊していった.これは,木材燃料による燃焼という物理現象が,人間の「食・住」に必要不可欠であったことを物語っている.木材以外の石油・石炭の歴史も存外古く,世界では紀元前3000年頃に石油が使用され,我が国でも紀元668年,日本書紀の時代には既に「燃ゆる水・燃ゆる石」として石油・石炭が発見されている .しかし,いずれもその使用目的は暖および食であり,「食・住」のための燃焼が,人間にとって必要最低限なエネルギー消費であることに相違はない.

ガスと電気
  現代の中・高密都市には都市基盤設備(Infrastructure)が縦横に走っている.電気・ガス・水道・道路など,人々の生活を大量に抱え込んだ都市が,各々の営みを効率的に維持するために生み出した設備であり,集住するための人間の知恵であろう.この中で現在,食・住のための燃焼を司っているものは都市ガスである.燃焼のための燃料には固相(木材など),液相(石油など),気相(都市ガスなど)の三種が考えられるが,効率・コスト両面で優れる気相,すなわちガス体エネルギーが,木材の代替品となり,長らく使用されてきた.そしてこの基本原則は今後も変わらないものと思われる.
  現在,規制緩和の荒波に伴い,高効率電気ヒートポンプや全電化住宅などによる,エネルギー消費の電化が一部で見られる.確かにエネルギー効率面で着実な進歩を見せる電気製品であるが,基本的に電気は贅沢なエネルギーであり,私の「衣食住」の思考原則にはそぐわないエネルギーである.
  そこで,私は人間の根源的な営みである「衣食住」を根底で支える「燃焼」に特にこだわり,その気相状態の燃料たるガス体エネルギーに着目し,本論文を構成すると共に,今後もその在り方について深く考えていきたい.

「ヒト」ノ間
 小学校入学時から本論文終了時まで,学業期間中にお世話になった方々は数を知れない.私の衣食住への興味は,更にその根底にヒトへの興味がある.環境システムという日本・世界規模でのグローバルな学問を学びつつ,私は環境学こそが人間(生態)学に他ならないと考えてきた.遥か悠久な人間の有象無象の結果が環境問題を生んだからである.その意味で,私はいつも,講義でのグローバルな話を,人間という矮小な存在に置き換えて考えていた.それが正しかったかどうかは分からない.
  ただ言える事は,様々な共時的なヒトの助力を得て,今,私はここに修士論文を提出し,社会人となろうとしている.そのことに心から感謝すると共に,今後は,共時的なヒトは当然のこと,通時的なヒトへも積極的に助力していくことで,これらの恩に報いていきたい.
  通時的なヒト…すなわち,まだ見ぬ未来世代…とのコミュニケーションをとり得ないヒトは,その時点で既に「ヒト」ノ間たり得ない.私は人間に興味がある故に,共時的にもそして通時的にも「人間」であり続けたい…そう,願っている.


■最終論文の「結言」
  「枢軸の時代」と呼ばれる時代がある.紀元前500年を中心とする,前後600年ほどの時代である.哲学の出現,科学の成立,高度宗教の誕生……人類の歴史に深く関わる決定的な一連の動きが,洋の東西において,相互に独立し,互いに知り合うこと無くこの数世紀の間に発生した.この驚嘆すべき人間精神の一斉覚醒の時代をして「枢軸の時代」と称したのは,ドイツの哲学者カール・ヤスパース(Karl Jaspers)であった ).すなわち,この時代が霊長類ヒト目ヒト科の「人類」として記念すべき出発点であり,人類の歴史を大きく分かつ最初の分水嶺であった.
  人類が次に大きな分水嶺を迎えたのは17~18世紀のことである.この分水嶺は一般に科学革命・産業革命と呼ばれる一連の動きによって表現される.第一の分水嶺が人類の精神に基づくものであったのに対し,第二の分水嶺は人間の技術に基づくものであった.この時代において,人類は埋蔵エネルギー資源の絶大な有効性を見出し,これを積極的に活用することで飛躍的な生産効率の向上を果たした ).

  このような人類史上まれに見る大々的な分水嶺に対し,更なる前代未聞の「大転換」が,19世紀初頭に起こったとされる.これが自己調整的市場を内包する市場社会の成立である.本来市場は,有史前から人類史と共にある普遍的制度の一つに過ぎない.しかし,これが統制的市場から自己調整的市場へと変貌したのは1834年イギリスであった.と,カール・ポラニー(Karl Polanyi)は著書「大転換」 )の中で述べている.この,土地と人間を擬制商品化することで「生活・社会を抽象化」 )し,「社会の普遍的市場化」4)へと導く市場社会を,ポラニーは著書において「悪魔のひき臼」と称した.この言葉の持つ鉛のような重みは,現代を生きる我々全ての胸中に深く訴えるものがある.
  そして20世紀.17~18世紀に確立した技術革新,19世紀初頭に成立した市場社会は,人類に大量生産-大量消費-大量廃棄の収奪的一過型社会をもたらした.生産量が増え,エネルギー消費が伸び,人口は対数関数的に著しく増大していった.そしてこれは一見,人類に永遠の繁栄と栄光をもたらしたかのように見えた.しかし一方で,埋蔵エネルギー資源の枯渇,オゾン層の破壊,地球温暖化問題など,深刻な地球規模の問題が日々顕在化していった.

  以上が,人類史上に存在した大々的な分水嶺の概説であり,現代に至る人類史の概観である.そして人類は,この短くも長い歴史の中で幾度かの劇的な分水嶺を乗り越え,他の生物に類を見ない稀有な「変化」を遂げてきた.ところで,この「変化の歴史」を果たして「発展の歴史」と呼ぶべきか「退化の歴史」と呼ぶべきか,この解答は未だに見出されていない.この解答の全ては,現代を生きる我々,そして来たる21世紀の人類の歩みに委ねられている.
  人間が紀元前500年に「人類」として精神覚醒して以来,17~18世紀に獲得した技術革新,19世紀初頭に成立した市場社会.そして,これらがもたらした一連の「変化」を,美しき滅亡へと導く甘美なハーメルンの笛音にしないための努力….循環を基本概念とした既存市場社会を凌駕する新たな分水嶺の構築….これが20世紀を生き,21世紀へと人類史を引き継いでいく私達に託された,唯一の使命であると私は考えている.